コマガワハット | |||||||||||||
◇date
2002/11 ◇所在 埼玉県日高市 ◇建築設計 アタカケンタロウ建築計画事務所 担当/安宅研太郎 ◇構造設計 SIGLO建築構造事務所 担当/山口吉紀・奈良岡誠也 ◇施工 三澤屋建設 担当/田村幸雄・比留間正己 敷地面積 625.46m2 建築面積 159.97m2 延床面積 234.91m2 新建築住宅特集2003-8月号掲載 |
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人家のまばらな郊外に立つ5人家族のためのアトリエと住宅。
型枠コンクリートブロックでできた塔状の4つのボリュームが立ち、その間に杉板やコンクリート、ラーチ合板仕上げの床が架けられている。それらの構成によって生まれる、大きなワンルームの中の「物かげ」が、住人の居場所になっている。 「物かげ」にいるとき、それぞれの構成要素(壁、床、天井など)は、「自分のいる場所を構成するために存在している」というよりも、どこか他に要因があって、たまたま隣りあってしまっている、というように見える。 例えばコンクリートブロックの塔は内部に水廻りや納戸を抱え込むそれぞれが独立した構築物であり、プラスターボードの貼られた木造の架構は、個別の場所をつくり出すためというよりは、全体を内部と外部を隔てるためにつくられている。3種類の床は2階の床としての性能を決定しているが、同時に、1階の天井の性能も決定し、平面的に見ても、個別の場所に従属している感じは稀薄である。また、それぞれの要素間にはそれを調停するようなディテールは存在せず、偶然隣り合っている以上に意味を読み取ることはできない。 それらの事が意味するところは、つまり、空間の構成を決定する視線が「自分(住人)が今ここにいることのため」に向いていないような状態をつくり出すことであり、そこにいる「人」、あるいは「人と人の関係」が浮き彫りにされず、モノとヒトが対等に存在するような状態になる場を形成することである。 この住宅は、限られた空間の中に特定の人間が過ごすことが、閉塞感ではなく、気配やざわめきの中に身を置くような特別な居心地の良さに転換されたものとなるだろう。 |
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コンクリートブロックの塔の中は納戸や水廻り。その塔と塔の間が各居室となっている。 | |||||||||||||
施工中。型枠コンクリートブロックのみが立ち上がったところ。林のなかに遺跡が出現したかのよう。 | |||||||||||||
階段脇からアトリエ方向を見る。 | |||||||||||||
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